読書 『本のエンドロール』
今日は一日休みなので、朝から安藤祐介さんの『本のエンドロール』をずっと読んでいます。
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紙か電子か…活字離れも進み、斜陽産業と言われる印刷業界。
とある印刷会社を舞台に、営業、印刷オペレーター、作家、デザイナー、編集と、仕事の内容も、働く理由も、立場も、仕事にかかけるモチベーションや思いも異なる人たちが一冊の本を作り上げる中で生まれる物語です。
原作未読で、ドラマでしかみたことないけど、『重版出来!』の文芸書版みたいな感じかな
それぞれに抱える家族の事情や、仕事に対する葛藤を通じて、働くことの意義について考えるストーリーとなっており、働く社会人の皆さんなら、誰しも共感しながら読むことができる展開になっているのではないかと思います。
でもわたしは、「面白い」と思いながら読んでいるけど、なかなか自分の感想・意見が持てない…
その理由を考えると、多分自分が仕事において、全然中途半端で、何もかもうまくいっていなくて、社会人としての土台みたいなものにすら立てていないから
一応生きていくための、最低限のお金を稼がないと、という気持ちを心の拠り所にして、頑張ってはいるけれど…
唯一心惹かれたのが、「特色」と呼ばれる、機械ではできない、特殊な色を作る職人の「ジロさん」の言葉や生き様に触れた時
腕は一流だけど、横暴で自分勝手な本のデザイナーから、「いいから言われた通りに印刷しろ」と言われた後の、ジロさんのセリフ
「頭脳でありモーター(デザイナー)」の「歯車(自分達印刷オペレーター、職人)」にたとえ、
「歯車にも意地があります。特に我々職人は『できない』と決めつけられれば『できます』と言ってみたくなるもんです。実際に、できると思っとります。ここは任せてもらえませんかね。」(P128,L10-11)
ああ、こういう風に、自分の仕事にプライドを持てるような働き方ができたらなあ。
自分にしかできない仕事、たとえ大きなモーターの歯車みたいなものだったとしても、長年の経験と努力の積み重ねで手に入れた技術を武器に、手に職つけて働けたらなあ。
わたしの仕事はなんだったんだろう
わたしも一応、本に携わる仕事をしていた1人の人間として、考えてしまいます。
環境が悪かったのか
自分の努力や能力が足りなかったのか
いつもいてもいなくても差し支えない存在だった
楽だねと言われればそうなのかもしれないけど、わたしは社会の中で、自分が胸を張れる仕事ができる場所が欲しかった
発達障害というハンデがあって、できないことが多いわたしには、贅沢なことなのか
じゃあ子供の頃から努力してきたわたしの今まではなんだったのか
そのやりきれない思いが過食やアルコールに全部注がれる
わたしの人生は、死ぬまでこのままなのか